去年4月、沖縄県の宮古島沖で陸上自衛隊のUH60ヘリコプターが墜落した事故では、当時の第8師団長など乗っていた10人全員が死亡しました。
陸上自衛隊の事故調査委員会がフライトレコーダーの分析などを行った結果、2基あるエンジンのうち、右側の出力が徐々に低下して喪失したのに続いて、左側も出力が低下し、高度を保てなくなって墜落していたことが防衛省関係者への取材で分かりました。
このうち、右側については、エンジンの制御系統か、エンジンに空気を送る管に漏れやつまりなどの異常が起きたことが要因と推定されるということです。
一方、左側については、エンジンの制御や出力に影響を与える部分の異常や、搭乗員による出力を調整するレバーの操作が要因となった可能性があるとしていますが、いずれも裏付けるデータがなく、要因の特定には至っていないということです。
陸上自衛隊は、エンジンに関連する部分の詳細な点検を行うとともに、飛行中に異常が起きた場合の操作手順について教育訓練を徹底するなど再発防止策をまとめたうえで、早ければ3月中にも調査報告書を公表する見通しです。