8月9日の長崎原爆の日に行う平和祈念式典の招待国について、イスラエルがイスラム組織ハマスと戦闘を続ける中、長崎市は6月、イスラエルの駐日大使を招待するかどうかの判断をいったん保留し、即時停戦を求める書簡をイスラエル側に送っていました。
長崎市の鈴木市長は31日臨時の記者会見を開き、「式典で不測の事態が発生するリスクなどを懸念し、参列者の安全確保や円滑な運営のため判断を保留してきたが、式典まであと9日となった現時点でもリスクへの懸念に変わりがない。大変苦渋の決断だが招請しないことを決めた」と述べ、イスラエルの駐日大使を招待しないことを決めたと発表しました。
理由について鈴木市長は「政治的な判断に基づくものではなく、あくまでも原爆犠牲者を慰霊するための式典を平穏かつ厳粛な雰囲気のもと円滑に行いたいという考えからの判断だ」と述べました。
長崎市は、イスラエルに加え、ウクライナ侵攻を続けるロシアや、ベラルーシを除く、154の国と地域に招待状を発送しています。
イスラエルの駐日大使に対し、同じ被爆地の広島市は8月6日の平和記念式典への招待状を送っており、判断が分かれる形となりました。