大手製紙メーカーの子会社、日本製紙クレシアは、8年前から1ロールが従来よりも3倍長いトイレットペーパーを販売していますが、大王製紙がおととし4月から販売する3.2倍長いトイレットペーパーについて、特許を侵害されたとして、製造・販売の禁止や賠償を求める訴えを起こしました。
大王製紙は特許の侵害にあたらないとして争い、裁判では、トイレットペーパーを柔らかく仕上げるため表面に付ける凹凸(おうとつ)の深さが特許で定められた範囲に入るかなどが争われました。
判決で東京地方裁判所の柴田義明 裁判長は「大王製紙の商品は凹凸の深さが明確でなく、日本製紙クレシアの特許の範囲内にあるとはいえない。特許を侵害しているとはいえない」として訴えを退けました。
日本製紙クレシアは「判決は到底、承服できるものではありません。控訴する予定です」とコメントしています。
大王製紙は「当社の主張の正当性が司法の場で確認されました。一層、自社の知的財産権の保護を図るとともに、他社の知的財産権を尊重していきます」としています。