曽於(そお)警察署の元巡査長、藤井光樹被告(49)は、県警本部の公安課に所属していた去年6月からことし3月にかけて、刑事事件の当事者の個人情報が記された「告訴・告発事件処理簿一覧表」や、特定の個人の犯罪歴に関する情報を福岡市のネットメディアの代表に漏らしたとして、地方公務員法違反の罪に問われています。
11日、鹿児島地方裁判所で開かれた初公判で、元巡査長は「間違いありません」と起訴された内容を認め、被告人質問で警察内部の捜査書類の扱いや対応に疑問を感じていたことを明らかにし、「警察組織に漠然とした不満を感じていた」と述べました。
検察は「被告はネットメディアの代表から事件の捜査状況などについて情報提供を求められ、よい関係が築ければ情報を得ることができ、その情報を組織に提供すれば評価も上がると考え、依頼を受けることにした」と主張しました。
そして「警察官の職務に対する社会の信頼を大きく損なう悪質な犯行だ」などとして、懲役1年を求刑しました。
一方、弁護側は「動機の一部には、警察組織の実情が明るみになることによって、組織体制の改善を期待していたことが含まれる」などと主張し、執行猶予付きの判決を求めました。
判決は来月5日に言い渡される予定です。