アルコール検査で不正を行っていたのは「JPロジスティクス」の兵庫県小野市の支店で配送ドライバーなどを務める20代から60代までの社員、合わせて6人です。
会社によりますと、去年、不正に関する情報があり、内部調査を行った結果、6人が業務前のアルコール検査を別の社員に代わりに受けさせていたことが分かったということです。
検査に使われていた機器はなりすましを防ぐためにカメラが付いていて、本人の顔が画面に映った状態で機器に息を吹き込む仕組みです。
しかし、6人は自分の顔を画面に映しながら、別の社員に依頼して、画面に映り込まないよう長いチューブを使って息を吹き込んでもらっていたということです。
6人はいずれも前日に酒を飲んでいて、内部調査に対し、「アルコールが残っていないか不安だった。これまでに何回かやった」などと説明しているということです。
このため、会社は依頼に応じた社員も含め合わせて10人を先月までに出勤停止14日間の処分にしました。
今回の事態を受けて、会社は全国の支店を対象に調査を行いましたが、ほかに不正は確認されなかったとしています。
「JPロジスティクス」はNHKの取材に対し、「当社は“安全”を経営上の重要課題と考えていますが、その中で、貨物運送事業者としての基礎的な義務がおろそかになっていたことは極めて遺憾です。今後、万全の再発防止策を講じるとともに、会社全体で意識改革を行っていく所存です」とコメントしています。