日本各地の中心市街地では、高度経済成長期の古いビルや建物を取り壊して、高層ビルやマンションなどを建設する再開発が進められています。
こうした再開発では、高層化した建物に新たな床を作ることで、そこから上がる収益により、地権者が費用負担なしで建て替えができる利点があるとされています。
NHKは、こうした再開発事業が認可された全国129地区を対象に、資材価格高騰の影響などについてアンケート調査を行い、122地区から回答を得ました。
その結果、「工事費が上昇したり、上昇が見込まれたりしている」と回答した地区は、全体の7割を超える91地区に上りました。
さらに、これらの地区に、計画への影響について複数回答で尋ねたところ、
▽工事の遅れや停止が生じているとした地区は18、
▽施設の変更が必要な地区が12、
▽地権者が取得する床面積を減らすなどの見直しを行ったところも7地区ありました。
影響が深刻なケースでは、計画の柱だったサービス付き高齢者住宅を、収益性を上げるためマンションに変更したものや、地権者が追加で1000万円ほどの負担を求められたところもあったということです。
国は、事業の停滞を避けるため、補助金を追加で支給するなどしていますが、資材価格の高騰は全国各地のまちづくりに深刻な影響を及ぼしています。