環境省は2003年度から住民や研究者と協力して、全国およそ1000か所で生態系の変化を調査しています。
このうち里山やその周辺の生態系について2022年度までのデータを分析したところ、106種の鳥類のうち16種の個体数が環境省のレッドリストで絶滅危惧種の基準に相当する年3.5%以上のペースで減少していることが分かったということです。
具体的には、スズメが1年あたり3.6%減少していたほか、セグロセキレイが8.6%減っていたということです。
またチョウについても分析したところ103種のうち34種が年3.5%以上のペースで減っていて、国ちょうのオオムラサキは1年あたり10.4%、イチモンジセセリは6.9%減少していたということです。
環境省によりますと、温暖化によって生息に適した地域が減少したり、里山やその周辺の管理が行われず環境が変化したりしたことが影響しているとみられるということです。
環境省は「全国の里山周辺では多様な生物の損失が深刻な状況になっている可能性がある。今回の結果を、調査体制の維持や強化、各地の保全対策につなげていきたい」としています。