先月19日、NHKのラジオ国際放送などの中国語ニュースで、原稿を読んでいた中国籍の48歳の外部スタッフが沖縄県の尖閣諸島の帰属などをめぐって、原稿にはない日本政府の公式見解とは異なる発言を行ったことについて、NHKは10日、調査報告書を公表しました。そして、稲葉会長ら4人が役員報酬の50%を1か月自主返納するほか、担当役員が辞任することなどを明らかにしました。
この問題で総務省は11日、NHKに対し文書で行政指導を行いました。
この中で総務省は、今回の事案は公共放送としての使命に反するもので誠に遺憾であり、放送法の規定に抵触するものと認められるとして、今後、このようなことがないよう注意するとしています。
そのうえで、公共放送としての社会的責任を深く認識し、放送法および番組基準などの順守と徹底はもとより、再発防止策の徹底とその順守状況の公表を求めています。
NHKはコメントを発表し、「今回の事案は、自ら定めたNHK国際番組基準に抵触するなど、NHKが、放送法で定められた担うべき責務を果たせなかったという極めて深刻な事態であり、重く受け止めています。改めて、深くお詫び申し上げます。再発防止策を確実に行い、国際放送に関するガバナンスを強化するとともに、NHK全体において、放送の自主自律の堅持とリスク意識の向上を図り、説明責任を果たしながら、視聴者・国民のみなさまから負託された公共放送の使命を果たしてまいります」としています。