元陸上自衛官の五ノ井里奈さん(24)は、福島県にある部隊に所属していた当時、複数の隊員から性被害を受けたうえ、自衛隊内の相談窓口などに申告したにもかかわらず、十分な調査や対応がなく精神的苦痛を受けたとして、去年、元隊員5人と国に賠償を求める裁判を横浜地方裁判所に起こしました。
五ノ井さんによりますとこの裁判で9日、元隊員のうち3人と和解が成立したということです。
3人はいずれも五ノ井さんに対する、強制わいせつ事件で有罪が確定した元上司で、和解に当たっては謝罪し、金銭を支払うことなどが盛り込まれたということです。
また、別の1人との間でもすでに和解が成立しているということで、今後、裁判は国と元隊員1人を相手に続くことになります。
NHKの取材に対し五ノ井さんは「被害を直接的に受けていた3人が、しっかりとけじめをつけて性暴力を行ったことを認め、謝罪するということで和解が成立したことは一安心しました。国などとの間では裁判が続いていますが、一つ一つ、解決に向けて進んでいきたい」と話していました。