横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の社長ら3人が不正輸出の疑いで逮捕、起訴されたえん罪事件の民事裁判では、元取締役の島田順司さんが、逮捕後に作成された「弁解録取書」という調書の修正を依頼したところ、警視庁公安部の捜査員が修正したふりをして署名させたと1審の東京地方裁判所が認定し、違法だと指摘しました。
この調書はその後、破棄されたことがわかっていますが、これについてメーカー側は、捜査員が故意に破棄した疑いがあるとして、今月中にも、公用文書毀棄などの疑いで捜査員らを警視庁に刑事告発する方針を固めたことが関係者への取材でわかりました。
この調書の破棄について捜査員は「誤って裁断した」とする報告書を作成していて、メーカー側は虚偽の公文書を作成した疑いもあると主張しています。
民事裁判で東京地方裁判所は検察と警視庁の捜査の違法性を認め、国と都にあわせて1億6200万円余りの賠償を命じましたが、双方が控訴していて、都は「捜査員は元取締役をだましておらず、報告書の内容は当時の事実をありのままに記載したものだ」などと捜査の違法性を否定しています。