訴えを起こしたのは、死刑が執行された元死刑囚1人を担当した弁護士の立命館大学法科大学院の小田幸児 教授など2人です。
訴えによりますと、国は、かつては年度ごとに死刑執行の人数を統計資料に掲載していましたが、1998年11月からは執行した当日に人数を公表し、2007年10月からは死刑囚の名前や生年月日、犯罪事実などを公開しています。
小田教授など2人は、去年、オウム真理教元代表の麻原彰晃、本名、松本智津夫 元死刑囚など6人の死刑執行に関する文書を情報公開請求しました。
これについて、「死刑執行に関する情報を公にすることは、刑の執行や公共の安全と秩序に支障を及ぼすおそれがある」などとして、ほとんどが開示されなかったということです。
2人は、情報が公開されなければ刑法が定める絞首刑が適正に執行されているのか検証することができず、国の対応は違法だなどと主張し、文書の開示を求める訴えを23日、大阪地方裁判所に起こしました。
小田教授は「絞首刑は残虐な刑罰を禁止する憲法36条に違反する。人の命を奪う死刑について具体的な情報を開示し、議論する必要がある」と話していました。
一方、法務省は「訴状が届いていないため、コメントできない」としています。